【優しい世界】
佐賀県出身のシンガーソングライター松谷さやかさん。
9年前にこの曲を聴いて、私が訪問看護師として日々向き合っていた「大切な人との別れ」を思い胸が熱くなり涙が溢れた。
そして月日は流れ、私の大切な人である姉との別れを体験することになった。
今この曲を改めて聴くと、また違う涙が溢れる。
私と姉は本当に見た目も双子と間違われるくらい似ていて、とても仲が良かった。
お互いが看護師ということもあり、癌という病のどうしようもない現実が嫌という程分かるからこそ、笑っていたような気がする。
我慢強く、諦めず、最期の最後まで自分以外の誰かの幸せを願うような人だった。
私とは正反対の性格で、気配りと与える事が大好きな。
最期の数週間、昼間は姪が自宅で看病し、私は仕事と家事を終えて23時位から姉の家に行き、ただ隣で眠った。
体をさすり、小さな氷を姉の口に入れる。
「ありがとう。美味しい。」と必ず言ってにっこり笑う。
ベッドをふたつくっつけて足を絡めたり、手を繋いだりして5時くらいまで一緒に眠る。
看病らしい看病は全て姪がやってくれて、私はただただ姉との幸せで穏やかな時間を過ごさせてもらった。
本当にありがたいことだと感謝している。
このミュージックビデオの赤い服の女の子には羽が生えていて、頭の上に乗っていたり、花の中で眠っていたりする。
信じられないかもしれないけれど、こんな風に私の姉もいつも一緒に居てくれる。
だから寂しくない。
頑張って生きている家族を支えるには頼りなくて弱くて、ずぼらな(笑)私が残ったわけだけれど、今は姉とニコイチなので大丈夫(笑)
2人に1人が癌になると言われる時代。
たくさんの人にこの「優しい世界」を聴いて欲しいと思う。
人はみないつかはこの人生を閉じる。
でも命に期限がついた時、本当の優しさと感謝と慈愛を手に入れる。
姉が教えてくれた事。
とても心に沁みる曲。
聴いてみてください。
2人で行った京都旅行での、ぶれっぶれのこの映像が私は大好き。
いつだって「ゆっくりしときんしゃい」と言ってくれていた姉。
うん大丈夫。
今日もゆっくりしております(笑)