大丈夫日記

日々出会った言葉から【大丈夫】を探していきます。

【「手の届くところに」文さんが教えてくれた事】


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この本は、娘が難病のベーチェット病、それによる合併症と闘いながら、その中で感じた様々な想い・・・苦しみ・恐れ・悲しみ・孤独・喜び・感謝・感動・生き方・・・など、2002 年から2007 年までの6年間に公開してきた日記計360 編あまりの中から抜粋した闘病日記集です。

この日記をこのような形で発表することで、健康な方々へは、『病人の悲しみや苦悩』を、現在闘病中の方々へは『励まし』を、そしてあらゆる方々へ『癒し』を伝えていければと思っています。父 江口賢介

   「手の届くところに」まえがきより



そんな文を励ましてくれていたのが、いつも「手の届くところ」に置いていた手紙でした。苦しい時にも、寂しい時にも、悲しい時にも、文の傍らには心が寄り添ってくれている「手紙」がありました。
「時間が経っても、相手のことを想ってくれている手紙の中の言葉はいつまでも残りその人の心の大きな支えになってくれる。特に、手書きの手紙は温かい」文はそんなことを話しながら、時々手紙を取り出しては読み返していました。

   「手の届くところに」あとがきより


以前のブログで少しだけ触れたベーチェット病

【「常識」が邪魔をする。人の数だけ常識がある。】 - 大丈夫日記

今日、紹介する書籍「手の届くところに」の著者、藤井文さん。お父様である賢介さんと縁あって知り合いになった。


33歳と言う若さの娘さんを亡くされたと聞いて心が痛くなった事を覚えている。ベーチェット病だったそう。
その時に賢介さんが柔らかく微笑んでそっと渡してくれたのがこの「手の届くところに」だった。


強さと儚さと希望と孤独とそこはかとない優しさが言葉となって私の中に流れ込んできて…
色々な感情が溢れてどうしようもなかった。


「まえがきとあとがきから読んでね。」と賢介さんは言いました。


読んでみるとなるほどそれが正しい読み方だとすぐに分かる。


人の気持ちと感情と、今の自分との折り合いと。
誰かを思う優しさと悲しさと。


私は言葉をとても大切にする。
心を込めた言葉には魂が乗っているから。
大切な事は文字で伝えて残したい。
そして出来れば直筆がいい。


誰かに手紙を書こうと思い、便箋と封筒と筆記用具を選ぶ。言葉を思い浮かべ気持ちを乗せて紡いでいく。

封筒に入れて宛名を書き切手を貼ってポストに入れる。
その一連の動作の最初から終わりまで相手の事を思い続け、相手の手に渡った瞬間からその人の人生の中の大切な一部になる。

手紙とはそういうもの。


小学生の頃、初恋の相手と文通をしていた。
中学生の頃、可愛い折り方の手紙に愛用のコロンを少しだけ染み込ませて手渡した。

返信で貰った封筒の柄や文字、相手の愛用の香水が少し染みたその香りなんかを全て覚えている。


距離があっても会えなくても手の届くところにいつでもある手紙


文さんが教えてくれた事。


細かな内容はぜひこの本を手にとって読んでもらいたいのであえてレビューはふんわりと。


手の届くところに

手の届くところに


嬉しい時、悲しい時、負けそうな時、誰かを愛しく思う時。
気持ちは流れて通り過ぎていくもの。ならば切り取って文字にして言葉にして残してみる。

未来の自分と大切な誰かの為に。
「手の届くところに」。【大丈夫】(*´﹀`*)